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2006年11月30日

労働時間の延長の限度等に関する基準

36協定を締結する際の注意点として協定の内容が厚生労働大臣が定める限度基準に適合したものとなるようにしなければなりません。

限度基準を超えて36協定を締結した場合は?
⇒36協定が無効となることはありませんが、労働基準監督機関による強い行政指導が行われることになっています。

限度時間は通常の会社と1年単位の変形労働時間制を採用している会社とで異なります。
これは、1年単位の変形労働時間制は労働者にとって負担が大きいため、限度時間を短くするよう配慮しているからです。


(参考)
一定期間についての延長時間の限度(原則)

 期間     限度時間
1週間     15時間
2週間     27時間
4週間     43時間
1か月     45時間
2か月     81時間
3か月    120時間
1年間    360時間

1年単位の変形労働時間制を採用しているの場合の延長時間の限度

 期間     限度時間
1週間     14時間
2週間     25時間
4週間     40時間
1か月     42時間
2か月     75時間
3か月    110時間
1年間    320時間


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日吉社会保険労務士事務所

2006年11月29日

時間外労働の義務

「いわゆる時間外労働の義務を定めた就業規則と労働者の義務」が問題となった判例があります。
この判例から単に36協定の締結・届出のみでは、当然に労働者に時間外労働を義務付けることはできないことがわかります。
しかし、就業規則等に労働契約上の義務としての定めがあれば、原則として労働者に時間外労働の義務が発生することが明らかになりました。


(参考文献)

事 件 名     従業員地位確認等(通称 日立製作所武蔵工場懲戒解雇)
裁判年月日    平成3年11月28日
法 廷 名     最高裁判所第一小法廷


「使用者が、労働基準法36条所定の書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該事業場に適用される就業規則に右協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して時間外労働をさせることができる旨を定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて時間外労働をする義務を負う。」(一部抜粋)


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2006年11月28日

36協定について

<協定内容>
(1)時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的自由
(2)業務の種類
(3)労働者の数
(4)1日及び1日を越える一定の期間について延長させる時間又は労働させることができる休日
※一定の期間とは、1日を超え3ヶ月以内の期間及び1年間とされています。
通常は、1日、3ヶ月、1年の期間で定めます。

<有効期間>
有効期間は1年間とすることが望ましいとされています。
これは定期的に見直しをする機会を設けることが望ましいからです。
なお、有効期間は必ず定めなくてはなりません。

<36協定の効力>
36協定の効力は、あくまで法で禁止されている時間外・休日労働を適法に行わせることができるという免罰効果に過ぎません。
したがて、36協定を根拠に時間外・休日労働を強制することはできません。
時間外・休日労働をさせるためには、就業規則等によって、労働契約上の義務として定めることが必要です。

     ※時間外労働の義務についてはコチラをどうぞ


<効力の発生時期>
36協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た時点で効力が生じます。

<36協定の届出未履行について>
現実には、36協定の締結・届出をしていないにもかかわらず、
時間外労働を行わせている会社は多いです。
ですが、これは明らかに違法です。
早めの対策をお勧めします。


※36協定、就業規則に関するご相談は、日吉社会保険労務士事務所へ

2006年11月27日

時間外労働が認められる条件

労働基準法は、原則として時間外労働を禁止しています。
現実には時間外労働が当たり前のように行われていますが、
あくまで法は原則として時間外労働を禁止しています。

もっとも労働基準法は、時間外労働が認められる例外を設けています。

代表的な例外は、労働基準法第36条の定めに基づく、いわゆる「36協定」を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た場合です。

根拠は、労働基準法第36条1項本文
「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合においては、その協定で定める所によって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。」

なお、時間外労働が認められるもう一つの例外があります。
災害等により臨時の必要がある場合で、かつ、所轄労働基準監督所署長の許可を得た場合(事態急迫のため許可を得る暇がない場合には、事後に遅滞なく届出)です。(労働基準法第33条第1項参照)


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2006年11月26日

労働時間

労働基準法上の法定労働時間は、
原則として、1日につき8時間1週間につき40時間です。

この労働時間には休憩時間は含まれません。
「労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令
下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」
というのが判例の考え方です。

就業規則等で仮に所定労働時間外に行うと決めた場合であっても、
労働時間に該当する場合はあることになります。

とくに注意が必要なのは業務の準備等に要する時間です。
準備行為であっても事業所内において行うことを使用者から
義務付けられている場合等には、労働時間に該当し得る、
というのが判例の考え方です。

以下は、参考までに最高裁の判例の一部抜粋です。
少し長いですが参考にしてみてください。

賃金請求事件
(最高裁判所平成7年(オ)第2029号平成12年3月9日
第一小法廷判決、棄却)

「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。

 そして、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。」


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2006年11月25日

H18.10.6「職場における暴行事件から7年経過後にされた懲戒解雇は無効」

H18.10.6最高裁の判例

職場における暴行事件から7年経過後にされた懲戒解雇が
問題となりました。

最高裁の結論、東京高裁の原判決を破棄し、
「本件各事件から7年経過した後になされた本件論旨退職処分は、
・・・(省略)・・・処分時点において企業秩序維持の観点から
そのような重い懲戒処分を必要とする客観的に合理的な理由を欠くもの
といわざるを得ず、社会通念上相当なものと是認することはできない。
そうすると、本件論旨退職処分は権利の乱用として無効
というべきであり、本件論旨退職処分による懲戒解雇は
その効力を生じないというべきである。」

暴行から7年という期間が経過していることや、
暴行事件が不起訴処分となったこと等を考慮しています。


(参考)
事件番号 平成16(受)918
事件名 労働契約上の地位確認等請求,
    民訴法260条2項の申立て事件
裁判年月日 平成18年10月06日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄自判

2006年11月24日

助成金情報ートライアル雇用奨励金

本日は、トライアル雇用奨励金についてです。
助成金の中では比較的有名です。

経験不足等により就職が困難な求職者を試行的に雇い入れる
ことにより、業務遂行に当たっての適性や能力などを見極め、
その後の常用雇用への移行や雇用の創出を図ることを目的と
しています。

<主な受給の要件>
 以下に該当する者のうち、試行雇用を経ることが適当であると
公共職業安定所長が認める者を、公共職業安定所の紹介により
試行的に短期間(原則3か月)雇用すること

  ・45歳以上65歳未満の中高年齢者
   (原則として雇用保険受給資格者に限る)
  ・35歳未満の若年者
  ・母子家庭の母等
  ・障害者
  ・日雇労働者・ホームレス

<受給額>
 対象労働者1人につき、月額50,000円
 支給上限:3か月分まで
   最大50,000×3=150,000円


※公共職業安定所からの紹介により雇用した場合に限られます。
※上記以外にも細かい要件等がありますのでご注意下さい。


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2006年11月23日

割増賃金(概要)

時間外・休日・深夜労働をした場合に支払われる割増賃金についてです。
代表的なものは残業代です。
割増賃金の分類及びそれぞれの割増率は下記の通りです。

(割増賃金率)
A 時間外労働         2割5分以上
B 休日労働          3割5分以上
C 深夜労働          2割5分以上
D 時間外かつ深夜労働   5割以上(A+C)
E 休日かつ深夜労働     6割以上(B+C)

※時間外労働は、法定の労働時間(40H/週、8H/日)を超えた場合などに発生します。
※深夜労働の深夜とは、原則として午後10時から午前5時までです。

※少し注意が必要なのは休日労働です。
日常用語とイメージが異なるからです。
労働基準法上の休日労働は原則として1週間に1回休日があれば、
休日労働にはなりません。
具体的には、土日休みの週休2日制の会社で仮に土曜日に勤務しても、
日曜日に通常どおり休みがとれればBの休日労働にはなりません。
(休日出勤という日常用語とイメージが異なるので注意して下さい)
この場合、Aの時間外に該当すれば2割5分以上の割増賃金率となります。


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2006年11月22日

休業手当

労働基準法第26条
「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、
使用者は、休業期間中当該労働者に平均賃金の100分の60以上の
手当を支払わなければならない。」

イメージとしては、会社側の事情で社員が休業せざるを得なく
なった場合に最低でもお給料の60%を払いなさい、という制度です。

ですから労働安全衛生法の規定による健康診断の結果に基づいて
休業した場合等は休業手当の支払は必要ありません。

ちなみに、休業手当は労働基準法の賃金に該当するため、
賃金支払の5原則が適用されます。


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2006年11月21日

賃金支払の5原則

1、通貨払いの原則

 現物給与による場合は労働協約に別段の定めが必要です。

 最近では口座振込みが主流ですが、本人の同意が必要です。

2、直接払いの原則

 直接本人に支払う必要があります。
たとえ親権者等の法定代理人であっても賃金を支払うことは認められません。

 事故等のやむを得ない理由により使者に支払うことはOKです。
 ご主人が事故により急に入院して奥さまが受け取りに行くようなケ?ス(その逆もあります)を想像してください。

 ※使者と代理人の違いについては別の機会に説明します。
 (今日のテーマとは少し離れるので)


3、全額払いの原則

 法令に定めがある源泉税や社会保険料等は当然控除OKです。
 その他でも労使協定がある場合には社宅に関する費用、寮費、厚生施設の費用等を控除することはOKです。

4、毎月1回以上払いの原則

5、一定期日払いの原則


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2006年11月20日

平均賃金について

本日は平均賃金についてです。
平均賃金は、休業手当や解雇予告手当、災害補償等の基礎となる金額
ですから、理解しておく必要があります。

平均賃金の算定方法は、労働基準法12条で細かく規定されています。

原則的な計算方法は、

           平均賃金を算定すべき事由の発生
平均賃金=した日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額
                その期間の総日数

大まかなイメージは過去3か月間の給料の1日あたりの平均です。

ただし、平均賃金の算定についてはさまざまな例外があります。
書面による説明には限界がありますので、
お近くの社会保険労務士にご相談することをお勧めします。

例えば、平均賃金の算定期間中に休業期間や試用期間がある場合。
日給、請負級、時間給の方で、欠勤等により金額が少ない場合、
現物給与がある場合等はとくに注意して下さい。

ちなみに、原則として、賞与は賃金の総額に含める必要はありません。

根拠は、労働基準法第12条第4項です。
「賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3ヶ月を超える期間
ごとに支払われる賃金・・・(省略)・・・は算入しない。」

ほとんどの会社では、賞与は3ヶ月を超える期間ごとに支払われる
賃金なので、算入する必要はありません。
ただし、3ヶ月以内に一度の割合で賞与を支払っている会社では
算入する必要があります。


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2006年11月19日

労働基準法上の賃金

労働基準法第11条
「労働基準法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他
名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働
者に支払うすべてのものをいう。」
とあります。

労働基準法の賃金に該当するか否かは、
賃金に関する保護規定の適用対象になるかどうか
に影響するので重要です。

同じ退職金という名目であっても、
使用者が任意的・恩恵的に支払うものは賃金ではありませんが、
あらかじめ支給条件が労働協約・就業規則・労働契約等によって
明確になっているものについては、賃金とみなされるので、
注意が必要です。


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2006年11月18日

手続きの重要性

今日は手続きの重要性についてです。
これは解雇だけでなくさまざまな場面においても共通します。

やはり、手続きは重要です。
なぜか??

例えば、裁判の結果は常に正しいですか??
答えは、ノーです。
人間がすることですから、間違う場合もあります。
刑事事件で言えば冤罪です。

裁判の結果が正しいかどうか、
そんなことは実は誰にもわかりません。
ですが、裁判の結果には通常拘束されます。
なぜですか??

それは、手続きが適正だからです。
結果が正しいかどうかの判断が困難な場合、
結果に至る手続きが適正か否かが重要です。

適正な手続きに基づいて裁判が行われ、
その結果出た判決なのだから適正だろう、という推定が働くわけです。
手続きを省いたら結果の正当性が薄れます。
だからどんなひどい刑事事件でも、刑事被告人は税金で国選弁護人
を頼むことができます。
手続きの適正を確保するためです。

前置きが長くなりましたが、本題に戻ります。
解雇が正当か否かをどう判断しますか??
通常は判断が難しいです。
ですから、手続きが適正だったのか、これが大きな判断基準となります。

法令、就業規則上の手続きに基づいていたか、
懲戒解雇であれば、弁明の機会を与えたか、
整理解雇であれば、対象者との十分な協議が行われたか、等々です。

手続きについては慎重な対応が要求されます。
この機会に手続きの重要性を再認識していただければ幸いです。


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2006年11月17日

整理解雇について

解雇については判例法理により労働者保護が広範に図られている
ことはこのブログでも以前に取り上げました。

今日は整理解雇についてです。
整理解雇については有名ないわゆる整理解雇4要件
というものがあります。

具体的には、
(1)整理解雇を行う必要性があるか(相当の必要性)
(2)解雇を回避するための最大限の努力をしたか(最後の手段性)
(3)解雇対象者の選定に合理性があったか(合理性・公平性)
(4)十分な協議等が行われたか(手続きの妥当性)

4要件については、文献ごとに表現が微妙に異なったりしますが、
概ね上記の4点です。
どれも重要なのですが、(4)の手続きの妥当性については
非常に大切なので、また改めて取り上げます。

ただし、判例については徐々に変化してきているという
評価が一般的かもしれません。
具体的には、4要件というのはあくまで整理解雇が妥当か否かを
判断するために類型化された基準であって、
常にすべての要件が厳格に要求されるわけではなく、
各事案ごと個別具体的な事情を総合考慮して判断する、
という考え方です。
判例はよくこのような表現を使います。
より妥当な結論を導くためです。

ですから4要件はあくまで一つの目安ということで、
4要件を満たしていないから解雇権濫用、
4要件を満たしているから解雇権濫用ではない、
という形式的な判断ではなくより実質的に判断される
と考えておいた方がいいと思います。

その意味でも(4)の手続きの妥当性は重要です。


日吉社会保険労務士事務所

2006年11月16日

就業規則に「退職する場合は1ヶ月前に届け出ること」と記載することは可能??

就業規則に「退職する場合は1ヶ月前に届け出ること」と
記載することは可能ですか??
これは会社側からすると、もっともな疑問です。
とくに中小企業の場合は、退職者がでても、代わりの人をすぐに
みつけるのが難しい。あるいは、一人が幅広い業務を行っているため、
引継ぎに時間がかかる等の事情があり、最短でも1ヶ月前には
届け出て欲しいと考えるのはある意味自然なことです。
会社によっては2、3ヶ月ぐらい前に届け出て欲しいと考えるかもしれません。

しかしながら、従業員側から退職の意思表示があった場合、
会社が法的に拘束できる期間は最長2週間です。

退職の意思表示をしてから2週間経過するとたとえ会社の
承諾がなくても、退職の効力は発生してしまいます。

根拠条文は、民法627条第1項です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、
いつでも解約の申し出をすることができる。この場合において、
雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって
終了する。」とあります。

したがって、会社は2週間以上拘束することはできません。
就業規則に「退職する場合は1ヶ月前に届け出ること」と記載する
ことは、社会通念上、一定の合理性があるので無効とまでは言えないと
考えられます。
ただし、あくまで会社側で法的に拘束することができるのは2週間です。
(逆に、従業員側は2週間前に退職の意思表示をする必要があり、
「明日退職します」というのは会社側が承諾しない限り認められません。)

もっとも、現実問題として、退職する場合にはなるべく早く申告して
欲しい、と考える事業主は多いはずです。
日ごろから、そのようにお願いしておくのもいいかもしれません。
あるいは、代わりの人材の採用や、引継ぎに時間がかかるようでしたら、
本人の理解(同意)を得たうえで、退職日を先に延ばしてもらうよう相談
してみるのも一つの方法です。(強制はダメです)

日ごろから労使間の良好な信頼関係を保つことが大切ですね。


就業規則に関するご相談は、日吉社会保険労務士事務所へ

2006年11月15日

退職時の証明書について

労働基準法第22条第1項
「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業に
おける地位、賃金又は退職の自由(退職の事由が解雇の場合にあっては、
その理由を含む。)について証明書を請求した場合において、使用者は、
遅滞なくこれを交付しなければならない。」

会社側は退職者から請求があった場合、拒むことはできません。
また、退職時の証明書は雇用保険の離職票とは別のものです。
離職票を交付したことを理由に拒むことはできないので、注意してください。

退職者は、退職と同時に証明書を請求することは当然できますが、
退職後に請求することもできます。
請求回数に制限はありませんが、
証明書の請求権は2年経過すると消滅してしまうので注意が必要です。

※注意点
この退職時の証明書に社員の請求していない事項を記入することは
認められません。
例えば、退職時の証明書を請求された場合、
退職の事由や解雇の理由は、
本人が希望しない場合は記入することはできません。
あくまで請求された範囲内での交付となります。
退職時の証明書は、会社の義務ではなく、あくまで労働者のための
権利だからです。
請求された範囲内で会社側に義務が生じます。


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2006年11月14日

解雇理由の証明書

労働基準法は、退職時の証明書とは別に、
解雇理由の証明書についても規定しています。

労働基準法第22条2項
「労働者が、解雇の予告がされた日から退職の日までの間
において、当該解雇の理由について証明書を請求した場
合において、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければなら
ない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該
解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、
当該退職の日以後、これを交付することを要しない。」

解雇の理由は具体的に記入する必要があります。
就業規則に基づく解雇の場合は、
該当する条文の条項・内容、該当するに至った事実関係
を記入する必要があります。

※注意点
退職時の証明書、解雇理由の証明書ともに、
社員の請求していない事項を記入することは認められません。


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2006年11月13日

解雇予告はいつまで??

前回のブログにも書きましたが、従業員側から会社に退職の
意思表示があった場合、法的には2週間経過後に効力が発生します。

根拠条文は民法627条第1項。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は
いつでも解約の申し出をすることができる。この場合において、
雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって
終了する。」でした。

では、逆に事業主側から解雇の意思表示をする場合は??
民法上は、2週間とありますが、労働者保護の観点から、
労働基準法第20条において修正しています。
具体的には、
(1) 原則として、30日前に解雇の
意思表示である「解雇予告」をする必要があります。

(2) 30日前に解雇予告をしない場合は、
平均賃金の30日分以上の支払が必要です。
いわゆる「解雇予告手当」です。

(3) あるいは、例えば10日前に解雇予告をした場合に、
平均賃金の20日分以上の解雇予告手当を支払うというような
折衷的な対応も可能です。(1と2を併用するイメージです)

上記はあくまで労働基準法上の規制です。
解雇については、労働者保護の観点から、法律だけでなく、
判例法理により大幅に修正されています。
解雇予告をすれば解雇できるわけではないので注意が必要です。

詳しくは、お近くの社会保険労務士等にお問い合わせください。

2006年11月12日

解雇について(概要)

「解雇」とは、
事業主側の一方的な意思表示による労働契約の解消です。

解雇にも大きく分けて2種類あります。
普通解雇と懲戒解雇です。
労働契約の期間が満了した場合や、
自ら退職を申し出た場合はは解雇に該当しません。

解雇については、以前は法令ではなく判例法理により労働者の救済を
図っていましたが、平成15年に労働基準法が改正され解雇に関する
規定ができました。
労働基準法第18条の2です。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、無効とする。」

企業側に雇入れの自由は比較的広く認められると考えるのが
一般的ですが、解雇の場合はかなり制限されます。

就業規則に解雇事由となる場合を必ず記載しなければなりません。
就業規則において解雇事由として記載された事由以外での
解雇の場合には、裁判所ではほぼ受け入れられない、
ぐらいに考えておいた方がいいと思います。
裁判になるとどうしても企業側に不利になる傾向がありますので、
注意が必要です。

就業規則に解雇に関する規定を掲げていない、
あるいは古い就業規則で規定が不十分な場合は、
早めの対策をお勧めします。

トラブルが発生する前に、対処する。
リスク管理がこれからもっと大切な時代になると考えています。


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2006年11月11日

年次有給休暇ー継続勤務期間の算定基準日を設定することは可能?

労基法39条1項
「使用者は、その雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し
全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割
した10労働日(最低付与日数)の有給休暇を与えなければならない。」

通常は個人ごとに管理して、雇い入れの日から起算します。
ですが、会社によっては個人ごとに管理・計算することは面倒なので、
起算日を統一したいと考えることもあるかと思います。

基準日を設け、起算日を統一すること自体は
とくに問題はありませんが、注意すべきことがあります。

まず、例えば基準日を4/1に設定した会社に、
6/1付けで就職した方については、
10/1に10労働日の有給が発生することになります。
実際には4ヶ月しか勤務していなくても有給の権利が発生します。
別の言い方をすれば、切捨てはダメです。
労働基準法上の規定を下回ってしまうからです。
社員に不利益にならないような形でしか基準日は設定できません。

また、基準日を統一した場合には、その後の出勤率の算定についても
基準日から計算しなければなりません。

それと、基準日を設定するときは、社員に対し、
基準日を設けるのはあくまで事務処理上の便宜を図るためであって、
社員側に不利になることはないということを事前に説明して
おかれた方がいいと思います。
いくら不利益にならないからといって、何の事前連絡もなしに、
変更するのはやめたほうがいいかと思います。

日ごろから労使間のコミニュケーションを大切にしておくことが
会社を成長させていくためには不可欠です。


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2006年11月10日

過去の有給休暇はいつまで繰越可能?

過去の有給休暇はいつまで繰越可能?

2年です。

労基法115条
「労働基準法の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償
その他の請求権は、2年間これを行わない場合には、時効に
よって消滅する。」

仮に本人の同意を得ても、
あるいは、就業規則に有給休暇の繰越はできない等の規定があっても
年次有給休暇は2年間繰り越すことができます。
会社側は請求があった場合に拒むことはできません。
(時季変更権はあります)

年次有給休暇は現実的な問題として、
すべて消化することができないようなケースが多いです。

2年間経過すると強制的に消滅してまうので注意してください。


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2006年11月09日

年次有給休暇の買取は可能??

年次有給休暇の買取は可能ですか??
これは残念ながら認められません。

労基法39条1項
「使用者は、その雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し
全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割
した10労働日(最低付与日数)の有給休暇を与えなければならない。」

年次有給休暇を会社が買取ることは違法となります。
本人の同意を得てもダメです。
年次有給休暇の趣旨が没却されるおそれがあるからです。

それと、年次有給休暇は2年経過すると時効により消滅します。
この消滅した部分について買取が認められるか否かは、
争いのあるところですが、認められないとお考え下さい。
やはりこれを認めてしまうと、結果的に年次有給休暇の趣旨を
没却しかねないからです。

ただし、退職時に権利が消滅してしまう部分については、
会社側が買取ることは違法とはなりません。
年次有給休暇を理由に欠勤し業務の引継ぎが行えなくなるような
不都合が生じると困るからです。
本人と話し合った上でどのようにするか決めてください。

2006年11月08日

年次有給休暇(概要)

年次有給休暇の付与要件

原則として、
(1)雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務、かつ
(2)出勤率8割以上(出勤率=出勤日/全労働日×100)
この要件を満たした場合にまず10日の年次有給休暇の権利が
発生します。

その後、1年を経過するごとに付与日数は増加します。(上限は20日)

(参考)    継続勤務日数  年次有給休暇の日数
            6ヶ月       10日
         1年6ヶ月       11日
         2年6ヶ月       12日
         3年6ヶ月       14日
         4年6ヶ月       16日
         5年6ヶ月       18日
         6年6ヶ月       20日
 ※パートの場合は1週間の所定労働日数や労働時間によって
 異なりますので、ご注意ください。

年次有給休暇は労働者に与えられた権利です。
したがって、労働者保護を図るためさまざまな規定があります。

詳細は今後このブログで取り上げます。


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2006年11月07日

労働条件の明示事項

会社は、労働契約の締結の際に、
一定の事項を明示する必要があります。
明示事項は下記のとおりです。

A 必ず明示しなければならないもの(絶対的明示事項)

(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業
させる場合における終業時転換に関する事項
(4)賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)
の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期
並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む)

※昇給に関する事項以外は書面交付が必要です。

B 定めがある場合に明示しなければならないもの
   (任意的明示事項)

(1)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
(2)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等
(3)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(4)安全及び衛生に関する事項
(5)職業訓練に関する事項
(6)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(7)表彰及び制裁に関する事項
(8)休職に関する事項

※Bについては口頭でも構いません。


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2006年11月06日

労働契約の有効性

労働基準法に反する労働契約が締結された場合の効力は?

この場合、労働契約全体が無効となるのではなく、
違反する部分についてのみが無効となります。
いわゆる部分無効です。
さらに、無効となった部分は労働基準法の規定が適用されます。
法的安定性を重視した規定と言えるのかもしれません。

根拠条文は、労働基準法第13条
「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は
その部分については無効とする。この場合において、無効になった部
分は、労働基準法に定める基準による。」

これとよく似た規定がもう一つあります。
労働基準法93条
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、
その部分について無効とする。この場合において無効となった部
分は、就業規則で定める基準による。」

この2つの条文から、労働契約は労働基準法にも就業規則にも拘束
されることがわかります。

この2つの条文を整理すると、
(1) 労働基準法や就業規則に反する労働契約を締結した場合には、
全体が無効となるのではなく、違反した部分のみが無効となります。
(2) 違反した部分については、当然に労働基準法あるいは就業規則の
規定の内、条件の良い方が自動的に適用されることになります。

これは会社側にとっては実は注意すべき条文です。
会社が考えていた内容とは異なる基準が適用される場合があるからです。
就業規則が古かったり、市販モデル規則を使用している場合は
とくに注意してください。

企業のCSR(社会的責任)が問われる時代です。
労働基準法や就業規則をきちんと把握しておくことが
企業防衛の観点から必要ではないでしょうか。


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2006年11月05日

賠償予定の禁止

労働基準法第16条
「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は
損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」

一方、民法上は、
民法420条1項前段
「当事者は債務の不履行について損害賠償の額を予定するこ
とができる。」
同3項「違約金は、賠償額の予定と推定する」となっています。

実際、損害賠償の額を予定した契約や、違約金を事前に定めた
契約はよく行われます。
当事者が合意すれば問題ありません。(私的自治の原則)

にもかかわらず、労働基準法はこれを禁止しています。
なぜですか??

民法はあくまで対等な当事者間による契約を前提としています。
これに対して、労働基準法は違います。
契約当事者である「使用者」と「労働者」は対等ではないことが
大前提です。
だからこそ労働基準法の存在意義があるとも言えます。

契約当事者が対等でない場合は、当然のことですが、
弱い立場の側が不利になります。
ですから民法上認められていることでも、
労働基準法上は認められないという不一致が生じます。

なお、現実に生じた損害について会社が社員に請求することは
何ら問題ありません。


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2006年11月04日

未成年者の労働契約

未成年者の労働契約に関して労働基準法は以下のように
定めています。

労働基準法第58条1項
「親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を
締結してはならない。」
同2項
「親権者もしくわ後見人又は行政官庁は、労働契約が未
成年者に不利であると認めれれる場合においては、将来
に向かってこれを解除することができる」

(参考)
民法第5条1項
「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意
を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務
を免れる法律行為については、この限りでない」
同2項
「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」

民法上の取消しは取消権行使により契約時にさかのぼって無効
となります(遡及効)が、未成年者保護の観点から、
労働基準法では「将来に向かって」と修正されています。

行政官庁に解除権を与えているのも特徴です。
ちなみに学校長はこの行政官庁には該当せず、
解除することはできません。


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2006年11月03日

労働基準法上の「労働者」と「使用者」

労働基準法上の「労働者」と「使用者」
労働基準法上第9条
「労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事業所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」

具体的には、
個人事業の事業主、法人の代表取締役等は「労働者」に該当しません。
「使用者」に該当します。

(参考)労働基準法第10条
「労働基準法で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべてのものをいう。」

労基法上の「労働者」に該当するか否かは、
労働基準法で保護される対象になるか否かに結びつくため重要です。

判断が難しいのが、いわゆる管理職です。

部長や課長等の肩書きをつければ、
労働基準法上の「使用者」に該当するという考えは誤りです。
「労働者」に該当するのか、「使用者」に該当するのかは
あくまで実質的に判断されます。

単に上司の命令の伝達者にすぎないような場合、
言い換えると、実質的に一定の権限を与えられていない場合は、
たとえ部長や課長等の役職であっても、
「使用者」とはみなされない場合がありますので注意してください。

※なお、労働基準法上の労働者と労働組合法上の労働者とでは
若干定義が異なりますので注意してください。
これはそれぞれの法律の趣旨が必ずしも同一でないため、
法の適用範囲もおのずと異なってくるためです。


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2006年11月02日

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2006年11月01日

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