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2006年11月07日

労働条件の明示事項

会社は、労働契約の締結の際に、
一定の事項を明示する必要があります。
明示事項は下記のとおりです。

A 必ず明示しなければならないもの(絶対的明示事項)

(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業
させる場合における終業時転換に関する事項
(4)賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)
の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期
並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む)

※昇給に関する事項以外は書面交付が必要です。

B 定めがある場合に明示しなければならないもの
   (任意的明示事項)

(1)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
(2)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等
(3)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(4)安全及び衛生に関する事項
(5)職業訓練に関する事項
(6)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(7)表彰及び制裁に関する事項
(8)休職に関する事項

※Bについては口頭でも構いません。


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日吉社会保険労務士事務所

2006年11月06日

労働契約の有効性

労働基準法に反する労働契約が締結された場合の効力は?

この場合、労働契約全体が無効となるのではなく、
違反する部分についてのみが無効となります。
いわゆる部分無効です。
さらに、無効となった部分は労働基準法の規定が適用されます。
法的安定性を重視した規定と言えるのかもしれません。

根拠条文は、労働基準法第13条
「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は
その部分については無効とする。この場合において、無効になった部
分は、労働基準法に定める基準による。」

これとよく似た規定がもう一つあります。
労働基準法93条
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、
その部分について無効とする。この場合において無効となった部
分は、就業規則で定める基準による。」

この2つの条文から、労働契約は労働基準法にも就業規則にも拘束
されることがわかります。

この2つの条文を整理すると、
(1) 労働基準法や就業規則に反する労働契約を締結した場合には、
全体が無効となるのではなく、違反した部分のみが無効となります。
(2) 違反した部分については、当然に労働基準法あるいは就業規則の
規定の内、条件の良い方が自動的に適用されることになります。

これは会社側にとっては実は注意すべき条文です。
会社が考えていた内容とは異なる基準が適用される場合があるからです。
就業規則が古かったり、市販モデル規則を使用している場合は
とくに注意してください。

企業のCSR(社会的責任)が問われる時代です。
労働基準法や就業規則をきちんと把握しておくことが
企業防衛の観点から必要ではないでしょうか。


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日吉社会保険労務士事務所

2006年11月05日

賠償予定の禁止

労働基準法第16条
「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は
損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」

一方、民法上は、
民法420条1項前段
「当事者は債務の不履行について損害賠償の額を予定するこ
とができる。」
同3項「違約金は、賠償額の予定と推定する」となっています。

実際、損害賠償の額を予定した契約や、違約金を事前に定めた
契約はよく行われます。
当事者が合意すれば問題ありません。(私的自治の原則)

にもかかわらず、労働基準法はこれを禁止しています。
なぜですか??

民法はあくまで対等な当事者間による契約を前提としています。
これに対して、労働基準法は違います。
契約当事者である「使用者」と「労働者」は対等ではないことが
大前提です。
だからこそ労働基準法の存在意義があるとも言えます。

契約当事者が対等でない場合は、当然のことですが、
弱い立場の側が不利になります。
ですから民法上認められていることでも、
労働基準法上は認められないという不一致が生じます。

なお、現実に生じた損害について会社が社員に請求することは
何ら問題ありません。


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日吉社会保険労務士事務所

2006年11月04日

未成年者の労働契約

未成年者の労働契約に関して労働基準法は以下のように
定めています。

労働基準法第58条1項
「親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を
締結してはならない。」
同2項
「親権者もしくわ後見人又は行政官庁は、労働契約が未
成年者に不利であると認めれれる場合においては、将来
に向かってこれを解除することができる」

(参考)
民法第5条1項
「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意
を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務
を免れる法律行為については、この限りでない」
同2項
「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」

民法上の取消しは取消権行使により契約時にさかのぼって無効
となります(遡及効)が、未成年者保護の観点から、
労働基準法では「将来に向かって」と修正されています。

行政官庁に解除権を与えているのも特徴です。
ちなみに学校長はこの行政官庁には該当せず、
解除することはできません。


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日吉社会保険労務士事務所