就業規則の効力
就業規則の効力については、労働基準法第93条に規定されています。
「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」
仮に、就業規則に定める基準に達しない労働契約を個別に締結したとしても、その部分については無効となります。(部分無効)
就業規則には、その事業場における労働条件の最低基準としての効力があるからです。
就業規則の効力については、労働基準法第93条に規定されています。
「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」
仮に、就業規則に定める基準に達しない労働契約を個別に締結したとしても、その部分については無効となります。(部分無効)
就業規則には、その事業場における労働条件の最低基準としての効力があるからです。
就業規則と法令及び労働協約との関係については、労働基準法第92条で定められています。
「就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない」(1項)
「所轄労働基準監督署長は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる」(2項)
就業規則に減給の制裁を定める場合の注意点(定めるか否かは任意です)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはなりません。
また、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えることも認められません。
(労働基準法第91条参照)
<注意点>
※30分に満たない遅刻、早退の時間を常に30分切り上げるような定めをすることは減給の制裁に該当します。
一方、遅刻、早退又は欠勤に対して労働の提供のなかった時間に相当する賃金分だけを差し引くことは減給の制裁には該当しませんし、労働法上何ら問題ありません。(ノーワーク・ノーペイの原則)
※賞与から減給することも可能です。ただし、この場合、1回の額が平均賃金の1日分の半額、総額が賞与額の10分の1を超えることは認められません。
就業規則は本来事業場単位で作成し、所轄労働基準監督署に提出しなければなりません。
しかし、複数の事業場を有する企業が、同一の就業規則を適用する場合には、一定の場合、本社で一括して届け出ることにより、本社以外の事業場についても届出たものとして扱われます。
本社一括届出が認められるための要件は、下記の通りです。
<本社一括届出が認められるための要件>
(1) 本社及び本社以外の事業場の数に対応した部数の就業規則を提出
(2) 各事業場の名称、所在地及び所轄労働基準監督署長名並びに法89条各号に定める事項について当該企業の本社で作成された就業規則と各事業場の就業規則が同一の内容のものである旨が附記されていること。
(3) 法90条2項に定める意見書については、その正本が各事業場ごとの就業規則に添付されていること。
<ポイント>
この制度は、あくまで届出を本社で一括して行うことが認めれれているにすぎません。
過半数代表者の意見聴取等の手続きはあくまで各事業場単位で行う必要があります。
<意見聴取について>
使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との意見を聴かなければなりません。(労働基準法第90条)
※「意見を聴く」ことが要件となっていますが、同意は不要です。
たとえ反対意見であったとしても、会社側は拘束されません。
また、反対意見が出たからといって就業規則の効力には影響ありません。
<届出について>
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。
また、就業規則を変更した場合も同様に、届出義務が発生します。(労働基準法第89条参照)
相対的記載事項・・・定めがある場合には必ず記載しなければならないもの
(1)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
(2)臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額に関する事項
(3)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(4)安全及び衛生に関する事項
(5)職業訓練に関する事項
(6)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(7)表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項
(8)その他当該事業場の労働者のすべてに適用される定めに関する事項
就業規則の相対的記載事項と似ているのが、労働条件の相対的明示事項です。
労働条件の明示事項については、コチラをどうぞ
絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)
(1) 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交代に就業させる場合においては終業時転換に関する事項
(2) 賃金(臨時に支払われる賃金等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(3) 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
<参考>
就業規則の絶対的記載事項と似ているのが、労働条件の絶対的明示事項です。
労働条件の明示事項については、コチラをどうぞ
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。
また、就業規則を変更した場合も同様に、届出義務が発生します。(労働基準法第89条参照)
<記載事項>
就業規則への記載事項は大きく分けると下記の3つです。
・ 絶対的記載事項・・・必ず定めなくてはならない事項
・ 相対的記載事項・・・定めるか否かは任意で、定めた場合には必ず記載しなければならない事項
・ 任意的記載事項・・・記載するかどうか自由な事項
<常時10人以上に該当するか否かの判断について>
・ 常時10人以上に該当するかは、正社員だけでなくパートや臨時的な労働者も含めて計算します。また、一時的に10人未満となることがあったとしても、常態として10人以上の労働者を使用している場合には、就業規則の作成義務が発生します。
・ 企業単位ではなく、事業場単位で判断します。1企業単位で仮に10人以上であったとしても、各事業場が10人未満である場合には就業規則の作成義務は生じません。
就業規則に「退職する場合は1ヶ月前に届け出ること」と
記載することは可能ですか??
これは会社側からすると、もっともな疑問です。
とくに中小企業の場合は、退職者がでても、代わりの人をすぐに
みつけるのが難しい。あるいは、一人が幅広い業務を行っているため、
引継ぎに時間がかかる等の事情があり、最短でも1ヶ月前には
届け出て欲しいと考えるのはある意味自然なことです。
会社によっては2、3ヶ月ぐらい前に届け出て欲しいと考えるかもしれません。
しかしながら、従業員側から退職の意思表示があった場合、
会社が法的に拘束できる期間は最長2週間です。
退職の意思表示をしてから2週間経過するとたとえ会社の
承諾がなくても、退職の効力は発生してしまいます。
根拠条文は、民法627条第1項です。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、
いつでも解約の申し出をすることができる。この場合において、
雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって
終了する。」とあります。
したがって、会社は2週間以上拘束することはできません。
就業規則に「退職する場合は1ヶ月前に届け出ること」と記載する
ことは、社会通念上、一定の合理性があるので無効とまでは言えないと
考えられます。
ただし、あくまで会社側で法的に拘束することができるのは2週間です。
(逆に、従業員側は2週間前に退職の意思表示をする必要があり、
「明日退職します」というのは会社側が承諾しない限り認められません。)
もっとも、現実問題として、退職する場合にはなるべく早く申告して
欲しい、と考える事業主は多いはずです。
日ごろから、そのようにお願いしておくのもいいかもしれません。
あるいは、代わりの人材の採用や、引継ぎに時間がかかるようでしたら、
本人の理解(同意)を得たうえで、退職日を先に延ばしてもらうよう相談
してみるのも一つの方法です。(強制はダメです)
日ごろから労使間の良好な信頼関係を保つことが大切ですね。